2020年10月6日
銀行で貸金庫を借りて、遺言書、通帳、権利証などの大事な物をしまっている方が結構いらっしゃいますが、貸金庫にしまっているばっかりに大きなトラブルになることがあります。
それは、ズバリ貸金庫を借りている人が亡くなった場合です。
通常、貸金庫を借りている人が亡くなった場合に、相続人が貸金庫を開ける際には、相続人全員の実印、印鑑証明書等が必要で、相続人1人からの請求で貸金庫を開けることはできません。
にもかかわらず、①相続人がもめていたり、②相続人の誰かが行方不明になっていたり、③判断能力がない人がいて、全員の実印等がそろわない場合、貸金庫を開けることができなくなってしまうのです。
亡くなられた方が、生前、相続人間でもめないように遺言書を作成して金庫にしまっていたところ、遺言書の存在を相続人に知らせていなかったために、遺言書がないという前提でもめにもめて家庭裁判所による調停になってしまったなんて、笑えない話もあります。
また、相続人の中で行方不明の方や判断能力がない人がいたりする場合には、手続上、家庭裁判所を利用して代わりの人(不在者財産管理人や成年後見人)を選任してもらうことができますが、その分かなりの時間と費用と労力を要することになってしまいます。
盗難や火事などの心配がない安心な貸金庫ですが、相続が発生した際には、かえって面倒なことになることもあるので注意したいですね。
狭山市、入間市、飯能市の司法書士 相続・遺言 不動産の名義変更、預貯金の手続抵当権の抹消登記