2013年9月12日
ニュースでも広く報道されましたが、平成25年9月4日、最高裁は、非嫡出子(婚外子)の相続分を
嫡出子(婚姻関係にある夫婦により生まれた子)の半分と規定している民法900条のただし書前段の規定は、
法の下の平等を定めた憲法14条1項の規定に違反する旨、判断を下しました。
これを受けて、法務省では、早速当該民法の規定を削除する方向で検討に入っているそうですが、
これに慎重な立場の議員もいることから、いつ改正されるかは、まだ見通しがつかないようです。
では、改正されない間、実務の取扱いはどうなるのか…?
不動産登記等について、実務では、最高裁の決定に基づき処理するとのことです。
つまり、嫡出子と非嫡出子については、区別せず同じ相続分として扱うとのこと。(詳細は省略)
これにより、遺産分割協議や遺留分の算定等において、従来とは異なる取り扱いがなされる
こととなります。結局、当事者間の話し合いで遺産分割がまとまらなくて、裁判になった場合には、
今回の最高裁の判断が尊重されることになるので、実務としては法改正がなされなくても、
今回の最高裁の決定に基づいて処理する、ということなんでしょうね。
そういえば、従来の刑法には、尊属殺について、通常の殺人よりも重い刑が規定されていましたが、
最高裁により、これが憲法14条1項の法の下の平等に違反すると判断されて、その22年後にようやく
当該規定が削除されたということがありました。このときも、尊属殺について重く処罰する規定は、
法が改正されなくても、適用されなくなりました。