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認知症の方が所有する不動産を売却する場合

2012年8月21日

最近は,成年後見制度に関する相談をよく受けるのですが,中でも次のような相談が多いです。

「認知症など判断能力のない方が所有する不動産を,その子供などが本人の代理人として売却することはできますか?」

このような場合には,家庭裁判所に成年後見の申立てをして,成年後見人として任命されなければ売却手続をすることができません。

しかも,本人が居住している(又は居住していた)不動産を売却するには,成年後見人に就任後,家庭裁判所に売却許可の申立てをして,許可を受けなければ売却の効果は生じません。

裁判所に成年後見の申立てをしないで,代理人が売却してしまった場合,次のような問題が生じます。

- 意思能力がない法律行為は無効なので,売買自体がなかったことになってしまう…。

本人の子が複数いる場合で,そのうちの一人を代理人として売却したが,他の子が無効を求めて訴えを起こした場合等,後から無効になってしまうことは決して珍しいことではありません。このような場合には,買主に対して損害賠償をしなければなりませんし,司法書士や仲介業者等も罰せられてしまいます。

 

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