2013年10月30日
従来から金融機関の融資は、不動産又は個人の保証によることがもっぱらであったところ、
担保にできる不動産や保証人がなくても、動産を担保に融資するという手法が金融業界では
注目されているそうです。
国も、動産を担保に融資した場合に、これを登記をすることで対抗要件を具備することになる
「動産譲渡登記」制度を平成17年から導入し、実務会のそのような動きをバックアップしています。
と、そのような背景はある程度知りつつも、先日、お付き合いのある金融機関のAさんから、電話で
「動産を担保に融資をするので、登記をお願いします。いわゆるABLってやつです。」
と依頼がありまして、
「あーっ、ABLですね。かしこまりました。」、と言いながら、「えっ?動産譲渡担保登記のことじゃ
ないのかな?ABLって何だっけ…?」って、思わず頭の中がぐるぐるしてしまいました
結局、ABLとは、 Asset-based Lendingの略で、動産等を担保に融資する手法のことをいうと
後で分かったのですが、「普段からいろいろ勉強してないとダメだなー」と痛感させられました。
で、何を担保にするのかというと、「「バス」を担保にする」ということなんですね。
ここで、またもや私の頭の中がぐるぐる
「自動車は、「動産譲渡担保登記」できないんじゃなかったけ…?」
(自動車は陸運局にその所有者等が登録されているのですが、融資をしたときは抵当権の登録を
することができるので、「動産譲渡担保登記」は使えないんです。登録されていないものを除く。)
そして、Aさんが「先生は、行政書士の登録もしているので、自動車に対する担保設定も
できますよね」とおっしゃたので、「ピーン」と来たのですが、「動産譲渡担保登記」をするというのは、
私の早とちりで、「陸運局に抵当権設定の登録を依頼したい」ということだったんですね。
そう、不動産の所有権や担保設定に関する登記、さらには動産譲渡担保登記は司法書士に代理権限があり、
自動車の名義変更や抵当権設定の登録は行政書士に代理権限があるんです。(そこまで分かってて電話をしてきた
Aさんはさすがです。普通、よく分かんないですよね。)
てなわけで、おそらく世間では滅多になされないであろう登録自動車に対する抵当権設定手続を
することになりました